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我が謎は紅き空に飛び立つ

我が謎は紅き空に飛び立つ

天空のワルキューレ 第一部

天空のワルキューレ 黒猫工房サンへの捧げ物


00287年宇宙旅行が可能になった時代人間は、好奇心のために宇宙旅行を楽しんでいた。だがひょんな旅行会社が発見した一つの星、壊滅寸前のその星は子孫を残そうと中の生物は来た人間に寄生して地球に居座った。そこからの繁殖の日々、人は戸惑い恐怖に飲まれ絶望を手にとってしまった。そう、その生物のおかげでユーラシア大陸は壊滅。そのころ人間の手には負えなくなってきた。その生物の名前は、グラップ。居座る場所を決めた彼等は、ゆっくりと侵食している今も例外でない。だがそんな時、ひそかに立ち上がった人間たちがいた彼等はグラップに対抗するためにある兵器を考案した。その兵器は、ある少年少女四人が操っている。その兵器はPT(サイコトルーパー)と呼ばれている。今回は、そんな地球奪還の物語。



「各ドナーに通達、今から最終テストに入ります。全員準備してください。」
アナウンスと共に赤いランプが点滅して、全員に緊張を走らせる。
「とうとう、このときが来た。このテストが成功すれば、この地球を取り戻せる。」
ガラス越しに、PTの起動を目の当たりにしながら。一人の中年男性は、喜びの笑みを浮かべる。この男は、斑鳩義人このPTの発案者の一人である。何人もいた発案者は、ココから見えないところできっと同じ事をいってるだろう。
「斑鳩博士!PTワルキューレ 沙耶機最終テストに入ります。
「わかった。これで終わらせるぞ」


そこから数時間後
ココは宿舎、彼女彼等にとっては最後の宿泊。
「ココも最後になるんだね、名残惜しいようなそうでないような」
彼女は、斑鳩沙耶。風呂上りであろう彼女は髪をポニーテールにまとめてくしを通しながら言う。
その隣にいるのは、クエス・トレリネスという女の子。紅い綺麗な髪をショートカットにして。嬉しそうかつ真剣にこう答える。
「確かに最初来たときは、大変だったよね汚くて整理に半日かかったもん」
「あはは、そうだったね。でもそんなこと忘れちゃいそうに、今緊張してるこれから私たちがすることに。」
「そうだね、でも緊張してても始まらない。チャンスはこれっきりしかない、グラップが活動休止している今しか。」
力を込めるように、手をぎゅっと握り締めて彼女は言う。そんな言葉に、勇気付けられて沙耶は明日に希望を持とうとする。
(今しかない、私たちしかいない)
そう思うとがんばれる気がした。
「もう寝ようか?」
「そうだね」
二人は、部屋の電気を消した。興奮に眠れないが少しでも休ませようと目を瞑る。
隣の部屋の男子陣も寝ようと努力しているようだ。
そして短い安眠を取った、五人の戦士たち。絶望を切り開くためと心に言い聞かして・・・。
そして、絶望を消すための日がやってくる。

余談だが、この研究機関がある場所はアメリカである。ユーラシア大陸がつぶれて残ったのは、この大陸だけだったからである。
「PTワルキューレドナー 斑鳩沙耶三尉。」
「ハイ」
「PTハイドラドナー クエス・トレリネス三尉」
「ハイ」
「PTヴァルハラドナー ジャン・ペトリネス少尉」
「ハイ」
「PTアギトドナー 月見輝少尉」
「ハイ」
全員名前を呼ばれるごとに、教官に向かって敬礼していく。
「最終テストも終わり、正式に君たちをPTパイロットと認めグラップの本拠地を潰し殲滅を依頼する。」
「ハイ」
もう一度敬礼。
「それでは、健闘を祈る」
教官も敬礼して、四人を送り出す。四人は、それぞれのPTに乗りこの作戦のもう一つの鍵ライネという戦艦にPTを乗せる。
沙耶は、この作戦の責任者であり自分の父である義人のもとへ向かう。
「お父さん、・・斑鳩博士。これより、出撃して参ります。ココの、指揮もがんばってください。」
ココの研究機関を指揮している、人物は沙耶たちと共に作戦に出かけるためココの指揮は、沙耶の父改め斑鳩博士が指揮を執ることになっている。
「あぁ、がんばってくれ。武運を祈る・・・あと沙耶これをもっていってくれ。」
といって差し出されたのは、小さな綺麗な鉱石できていたペンダントだったその鉱石は、綺麗に光っているが加工がされておらず石ころと形はほとんど変わらなかった。
「これは、この星がやばいことに気づいて他の星でPTを研究していたころだった。そのとき、ワルキューレの調整研究をしていたころ風がなかった部屋に風が吹いたとき落ちていた鉱石をペンダントにしたものなんだ。その後全ての神経回路がうまく行ってこのワルキューレが完成したんだ。オレは、この石がその成功をもたらしたと思っている。だからこの石をお前にやる、そして成功を収めて来い。」
「ハイ」
一部沙耶には、よくわからなかったがその妙にでかいペンダントを首に掛けてペコリとお辞儀をしてワルキューレを動かしに駆けていった。
「ホントうまくやれよ、死ぬなよ。沙耶・・・・」
父の本音を口にする

PTの操作には、危険が付きまとう。意識を憑依さして操縦させるため、PT本体のダメージは、本人にもダイレクトにダメージを伝えてしまう。もっと危険とされているのは、憑依したとき何らかのダメージで神経系列がストップして意識をPTから離れさせれなくなるということだ。それは、死より恐ろしく生き地獄というものだった。
そんな中でも、この四人のPTの扱いは絶妙であった。見事なシンクロを実現していのままに動かすという言葉がとてもあっていた。

そんな四人は、PTを運び終わりライネのデッキに集合していた。発信まで残り十五分となっていた。
ここでこのライネの艦長から作戦の最終確認と、戦闘が予想される地域についての説明が再度行われていた。
「改めて言おう、オレがライネの艦長になった、伊吹烈だ。作戦の確認だが大まかに言えばもと中国広東地方にある、グラップの本拠地をたたきそして、残りのグラップを潰すための突破口を開くためだ。ここら辺は、もうだいたいわかっていると思う。
そして次に、戦闘に入る可能性のある地域だが。ココから一番近いところだとちょうど日本とハワイの中間地点に当たる場所がそうだと想定されている。敵の武装はだいたいもと北朝鮮・韓国・中国の戦艦または、戦闘機・翼竜級グラップと海竜級グラップが多数出てくると思われる。
その次は、日本だ。私もそうだが、この部隊には日本出身のものが多く在籍している。だが情けは無用だ人は、いない。そして、敵の武装だが日本の戦闘機・戦車などが主に、少数派に翼竜級・地竜級が出現してくると思われる。
後の戦闘については、今後説明しよう。もう出発せねばならない。
オペレーター、ライネ発信準備。」
「はい」
ライネのすらりと伸びた本体にがっしりとした両翼大きなブーストが、機動を始める。
残る者は、ライネに向かって敬礼を、前線に出る者は、本部に敬礼を。こうして、地球奪還作戦の序章が幕を開ける。

「最後の確認だが、最初に想定されている戦闘は、空中戦が主になると思う。下からの攻撃も十分に考えておくように。」
艦長が閣員に言った。
PTは、整備室または、格納庫と呼ばれているところに保管されている案外広いその空間は、装備の脱着がスムーズに行える。今もその真っ最中である。
沙耶は、最後の装備を何に使用か悩んでいた。
「う~ん、やっぱり多弾層ミサイルのほうがいいかなぁでも、バズーカ砲もほしいし・・・」
「な~に悩んでるの?」
と沙耶の肩をポンッとたたき元気な顔でクエスが沙耶の顔を覗き込んでくる。
「んいやね、多弾層ミサイルとバズーカ砲どっちにしようかななんて思ってるんだけどどっちがいいとおもう?」
「う~ん私は、ミサイルにしたから沙耶は、バズーカでいいんじゃない?機動性からして言えばワルキューレのほうがハイドラより機動性があるんだからさ、それにミサイルとかは重火器の装備を主に考えたハイドラのほうが向いてるんだって。」
自信づけるように、クエスは沙耶に言った。沙耶は、簡単に了承してバズーカ砲へと設定を変える。
ワルキューレは、白と青のカラーリングでしっかりとした装甲を持ち機動性を重視して考えた機体である。肩・脚にブーストがセットされていて、背中のバーニアにより普通より早く動くことができる。
武装は、腰にあるバックパックにバズーカ砲・ブラストライフル(エネルギーライフルのようなもの)が装備されていて、手首にはダブルウエポンというブラストソードやシールドに変化する多変化武器が収納されている。バーニアの横に花が開花したように取り付けられているのは、ウィルという多変方兵器なのである。武装は、ブラストーソードとシールドとブラスト砲の三つで構成されていてこれは遠隔操作が可能なのである。意志を憑依させて戦うPTならでわの兵器で六つ装備されていて、意志一つで脱着からソードからブラスト砲まで発射から斬りまでドナーの思いのままに操れるわけである。二の腕には有線のコルドという細長い三角形の形をした防御用の兵器が収納されている。コルドというのは、いくら意志を憑依さして動かすPTでも隙ができるのは当然であるそこをカバーするのがコルドなのである。このコルドは、熱源などを察知しAIをフル活用して行動するためドナーの意志に唯一左右されない装置なのである。
ついでに言っておくと、普通のコルドは無線で動くのだがワルキューレは機動性がどのPTより優れているためコルドについているバーニアではワルキューレについていけないのである。そのため、有線でワルキューレに繋いでいるのである。

本部を発信してから数時間、ライネの速度はだいぶ速くもうハワイの頭上を通るような形になっていた。ハワイには、軍部基地があったはずなのだが数ヶ月前グラップの浸食を受けている。まずハワイのレーダーに引っかかりライネのスピードに追いつくのが三十分後になると予想している。
その予想のため、緊張が走るライネの中で烈の鋭い声が走る
「総員戦闘準備!三十分後に戦闘の予想が立っている。PT部隊は、精神統一を忘れるな。メガ粒子砲部隊の者もいつ来てもいいようにレーダー照準機を起動させておけ。」
その声が、緊迫を走らせて全ての隊員の耳に入ったとき今までついていなかった機械が起動して暗い部屋を明るく照らし、エネルギー操舵室は全てへのエネルギー配当へのため最後の調節に入る。

それから四十分後予想から、十分ずれて各員の緊張が少し緩んだときだった。オペレーターが急に声を上げる。
「前方にグラップ・戦闘機・戦艦を発見数は、50。後方にも同じ数の敵が接近」
切れた緊張の糸が一瞬にして結ばれる、戦慄と共に・・・。
「PT部隊出撃、メガ粒子砲部隊敵をこの艦に近づけさせるな!」
烈が活の入った声と共に言い放つ。

ライネの左右についている、ハッチが開いて右からワルキューレとハイドラが左からヴァルハラとアギトが飛び立っていく。
ワルキューレとハイドラは、艦の前方へヴァルハラとアギトが艦の後方へ。
艦の目の前には、二十対くらいの翼竜級のグラップが近づいてくる。
ワルキューレは、前方へ待機ハイドラは、ワルキューレのやや後方で待機している。距離残り百メートル弱までに接近してきたグラップの部隊は、まず先に翼竜級が字のごとく火を噴いてきた。ライネは、もちろんワルキューレもウィルをとばしてシールドを作る。ライネとワルキューレの張ったシールドにグラップたちの火が吸い込まれるようにかき消されていき爆煙が晴れていく、敵が見えたこれが戦闘開始の合図だった。
「ふぅ、初めての戦闘でもこれだけは、できる。できないことはないんだ!」
ウィルでシールドを張った後、沙耶は初めての戦闘に恐怖を感じていた。そんな自分を押さえ込むために今の成功を自分の精神にすりこませる。
(できる。できる。できる。できないことは、ないんだ)
沙耶が覚悟を決めた、その表れのようにダブルウエポンをソード形態に展開させて手に握って背中のバーニアをフルに活用してジグザクとグラップの群れに突っ込んでいく。それと同時に、ウィルを射撃へと意志を疎通させる。
グラップたちは、突然ふところに突っ込んできたワルキューレに火弾を浴びせようと頬を膨らませる、そして思いっきり吐き出す。だがそのときには、ワルキューレに全てのグラップは、後ろをとられていた。刹那三秒の間に四体のグラップに銃撃が被弾して死んで消えていく。グラップがその場から離れるそこには、ウィルを三つ展開してブラストライフルを片手で構えるワルキューレの姿があった。ワルキューレとウィルが四方向に別れて飛んでいくウィルは砲撃体制を崩さないまま飛んでいきワルキューレは、接近戦をもくろんでいるのだろうブラストライフルを腰のバックパックに引っ掛ける。四方向に分かれたそれは、グラップたちの速さを優に超えていた間合いを空けて火弾を打ち出すもの、三匹になって束になるもの束になるものに関しては、ワルキューレは腕のブーストを巧妙に使い横一線、薙ぎ倒していく。
火弾は、できればダブルウエポンのシールドで残りはコルドで防いでいたためワルキューレは、無傷だった。ワルキューレとウィルの完璧なまでのコンビネーションに残りのグラップは、残り五匹とだいぶ削られていた。だがエネルギーの残りに目をやった沙耶は、あることを忘れていたことに気づく。
(ワルキューレとウィルの燃料がもうすぐ切れる。どうしよう、ココから艦まで持ちこたえるには、バズーカと残りのウィルを巧妙に使うしかない)
いままで、ワルキューレとすばらしい連携をとったウィルがワルキューレに帰ってくる。元に戻ったことを見計らうと、残りのウィルを展開する。ワルキューレは、バックパックに収納されているバズーカを取り出して肩に担ぐようにして構える。もう、ブラストソードはソードとはいえないほどの小ささまでにエネルギーを抑えられている。
沙耶は、極力エネルギーを使わずに残りを殺そうとしていた。そこでウィルは、ワルキューレの一直線上に飛び出していく当然残りのグラップはバラバラに離れていくそこをウィルが打ち抜こうとブラストをとばしていくそしてその全てが本体ではなく翼を打ち抜いている。痛みにうめきをあげ飛行を乱すグラップたちそこを一匹一匹ゆっくりな動作でバズーカを使い打ち落としていく。そして全てを打ち落として、一息ついてウィルを戻そうとしたところだった、急にそれはやってきたいっせいにウィルが撃破されたのである。それを行ったのは、ワルキューレと同じ人方の人口ロボット。性能は、PTとほぼ同等。
沙耶は、戦慄していた。
(何よあれ?PT?そんなのグラップが作り出せるの?逃げなきゃ。走しないと今のままでは、やられる!)
恐怖を振り払い、必死に残りのエネルギーを振り絞ってワルキューレをライネに帰還させようと全速力で飛んでいく。
「こちら、PTワルキューレドナー 斑鳩沙耶。本艦に連絡、エネルギー切れにより緊急帰還する。それに加え敵は、新たにPTらしきものを出撃させてきました。気を付けてください。」
ライネのハッチが開く、ワルキューレが転がり込むようにそのハッチに飛び込んで行く。

これにより今回の戦闘は、激化していく。激しく、火の粉が吹き荒れる戦場へと・・そして、戦慄と恐怖の幕開けでもある。


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